多くの人々がダイエットに挑戦するも、うまくいかないと感じています。その原因の1つに、食事の中の「タンパク質」への認識の不足が挙げられるかもしれません。
そこでこの記事では、タンパク質の体への影響や効果的な摂取方法を詳しく解説します。
この記事を読むと、日常の食生活にタンパク質を取り入れることでダイエット効果を高める方法を学べます。
目次
タンパク質とは?
まず、タンパク質の基本を理解しましょう。タンパク質は多種多様で様々な機能を持ち、僕たちの体をしっかりとサポートしています。
それでは、早速見ていきましょう。
タンパク質の機能とアミノ酸
タンパク質は僕たちの体の基本的な構成要素であり、多くの生体機能のための主要な材料として働いています。
これは、タンパク質が僕たちの体にとって欠かせない要素であることを示しています。
このようにタンパク質は僕たちの身体機能を維持し、健康を保つための要素として非常に重要です。
また、タンパク質は20種類のアミノ酸から成り立っています。これらのアミノ酸には、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」という2つのカテゴリーがあります。
特に、非必須アミノ酸は僕たちの体内で自然に合成されるのに対し、必須アミノ酸は体内で作られないため、食事やサプリメントからの摂取が欠かせません。
タンパク質やアミノ酸の摂取は僕たちの健康や生活質の向上に直結しています。
動物性と植物性
タンパク質は主に「動物性」と「植物性」の2つのカテゴリーに分けられます。
それぞれの主な特徴は以下です。
動物性タンパク質 | 植物性タンパク質 |
動物性由来のタンパク質 | 植物性由来のタンパク質 |
多くの必須アミノ酸が含まれる | 食物繊維が豊富 |
消化・吸収が速い | 消化・吸収が緩やか |
動物性タンパク質は、植物性タンパク質と比べて必須アミノ酸が豊富なため、積極的な摂取が推奨されます。一方、植物性タンパク質は食物繊維が多いので、腹持ちが良くなることが特徴的です。
健康的な食生活のためには、動物性と植物性のタンパク質をバランスよく摂取することを心掛けましょう。
ダイエット中のタンパク質効果
次にタンパク質の効果について解説します。以下の項目を通じて、ダイエット中のタンパク質摂取の大切さを深く理解していただけるでしょう。
しっかりと最後まで読んでいただけると幸いです。
筋肉量の維持
ダイエットを実践していると、カロリーを抑える傾向が強まるため、筋肉の減少が起こりやすくなります。しかし適切なタンパク質の摂取を心掛けることで、筋肉の減少を防げるのです。
筋肉が減少すると体の代謝も低下し、エネルギーの消費も少なくなります。そのため美しい体を目指すのであれば、筋肉を保持することが大切です。
具体的には「筋タンパク質の合成」という筋肉を形成するプロセスと、「筋タンパク質の分解」の筋肉が減少するプロセスがあります。
僕たちの体は、24時間を通して筋タンパク質の合成と分解のサイクルを継続しています。筋肉の維持ができるのは、これらの合成と分解が均衡を保っているからです。
ただし、分解が多くなると筋肉量は減少してしまいます。
このことからも、ダイエットを進める際には、筋肉の減少を防ぐため、タンパク質をしっかりと摂取することの重要性が伝わってきます。
適切なタンパク質の摂取は、筋肉量の減少を防ぐことができます。
食欲を抑制する
タンパク質には食欲を抑える特性があります。この理由は、タンパク質を摂ることで食欲を増加させるホルモン「グレリン」が低下し、逆に食欲を抑える効果のある「ペプチド-1 (GLP-1)」と「ペプチドYY (PYY)」が放出されるからです。
以下の研究ではタンパク質の摂取により、グレリンが減少していることが明らかになりました。
※グルコースとは、炭水化物の一種である単糖類に属する糖分で、人間のエネルギー源として重要な役割を果たしています。
このようにグレリンの減少は、食欲増進を抑制し、空腹を感じにくくします。
さらに別の研究によれば朝食として「高タンパク質食」、「高炭水化物食」、「高脂肪食」を摂取した際、PYYとGLP-1の濃度が「高タンパク質食」で最も高くなったことが分かりました。
これは、「高タンパク質食」が満腹感を高めることを示唆しています。
このように、タンパク質の摂取は食欲を抑制し、結果としてダイエットをサポートする可能性があります。
消費カロリーが増える
タンパク質をしっかり摂取することは、エネルギーの消費を促進します。その背後には「DIT(食事誘発性熱産生)」という現象が関わっています。
※DIT(食事誘発性熱産生)とは、食べ物の消化・吸収に伴って内臓の活動が活発化し、結果として熱が生じてエネルギーが消費されることを指します。
そしてDITのエネルギー消費量は、摂取する栄養素によって異なります。
炭水化物や脂質と比較すると、タンパク質の摂取によるエネルギー消費は顕著に多いことが示されています。
例えば、1日2000kcalを摂取した場合は以下になります。
1日2500kcal摂取した際のエネルギー消費の違いを考えると、総摂取カロリーが同じであっても、「タンパク質を多く摂る人」と「そうでない人」では1日96kcalの差が生じます。
これを1年間継続すると約35,000kcalの差となり、1kgの体脂肪を減らすために7,200kcalが必要とされると仮定すると、1年間で約4.8kgの体重差が生じることが考えられます。
このようにタンパク質を中心とした食生活を意識することで、より健康的で引き締まった体を目指すことが可能です。
ダイエットにおすすめ!タンパク質が豊富な食品
続いて、タンパク質が豊富な食品を紹介します。さらにダイエット方法に応じて、おすすめのタンパク質食品を厳選しました。
是非、参考にしてください。
脂質制限
脂質を制限しつつ効率的にタンパク質を摂取したいのであれば、以下の食材がおすすめです。
- 鶏胸肉(皮なし)
- ささみ
- タラ
- カツオ
- プロテイン
脂質制限ダイエットの鍵は、「低脂質・高タンパク質」の食品を摂ることです。プロテインはその点で非常に効果的。低脂質でありながら、手軽にたっぷりのタンパク質を摂取することができます。
ただ、低脂質食品は味が少し淡白になりがちです。特に鶏胸肉やささみのような食材は、工夫した調理方法を取り入れることで飽きずに続けやすくなります。
脂質制限を成功させるためには、低脂質かつ高タンパク質な食材の選び方が肝心です。
厳しい糖質制限
糖質制限には「厳しい糖質制限」と「ゆるい糖質制限(ロカボ)」の2つのアプローチが存在します。この記事では、「厳しい糖質制限」に焦点を当てて説明します。
厳しい糖質制限を実践する人におすすめのタンパク質源として、以下の食品がおすすめです。
- 卵
- 牛肉
- 豚肉
- サバ
- 鮭
厳しい糖質制限の目的は、エネルギー源として脂質を利用すること。そのため、タンパク質と脂質が豊富な食材が最適とされます。
一方で上記の食品は確かにスーパーで手に入りますが、コストが高くなることもあります。糖質制限を考える際、予算のことも念頭に置くと良いでしょう。
適切な食材選びで、健康的な糖質制限をサポートしましょう。
ダイエット中のタンパク質摂取量
次にタンパク質の摂取量について詳しく解説します。以下の方法は僕自身が実践し、体重を減少させることに成功しているものです。
是非、参考にしてください。
筋トレや運動をする人
筋トレや運動を頻繁に行う人にとって、適切なタンパク質の摂取は欠かせません。「体重1㎏あたり2g」のタンパク質を目標に摂取することで、筋肉の回復が早まり、筋肉の増強に効果的と言われています。
例えば、体重が60㎏の人の場合は以下です。
60×2=120g 1日のタンパク質摂取量:120g
しかし、120gのタンパク質を3食の食事だけで摂取するのは困難でしょう。そこで間食にプロテインを追加するなど、日常の食事に工夫を取り入れることが推奨されます。
日々の食生活において、タンパク質をしっかりと摂ることを意識しましょう。
なお、別記事で「プロテイン」について詳しく解説しているのでこちらも是非ご覧ください。
食事制限のみの人
運動をしていない人の食事制限に関するアドバイスになります。「体重1㎏あたり1g」のタンパク質を摂取することがおすすめです。食事制限だけであっても、最低限のタンパク質を摂取することで筋肉量は維持可能です。
例として、体重60㎏の人の場合。
60×1=60g 1日のタンパク質摂取量:60g
これは、毎食において20gのタンパク質を取り入れることで達成可能です。
食事制限中のみの人でもタンパク質を適切に摂取することで、ダイエット効果をより高めることができます。
運動をしていないからと言ってタンパク質の摂取を軽視すると、筋肉の減少が進み、健康的な体型を保つのが難しくなります。食事制限のみでも、体重×1gのタンパク質を意識的に取り入れることが大切です。
まとめ
最後に実践していただきたいポイントをまとめます。
- 脂質制限中は、「低脂質で高タンパク質」の食品を選ぶ。
- 厳しい糖質制限中は、「脂質とタンパク質が豊富」な食品を選ぶ。
- 筋トレや運動をする人は、「体重1㎏あたり2g」のタンパク質を目標に摂取する。
- 食事制限のみの人は、「体重1㎏あたり1g」のタンパク質を目標に摂取する。
タンパク質の摂取はダイエット中に特に重要となります。
日常生活での意識的なタンパク質の摂取は、ダイエットの効果を向上させます。
タンパク質が豊富な食品を積極的に食事に取り入れ、健康的なライフスタイルを実践しましょう。