筋トレを行う際、胸の筋肉は多くの人々が特に鍛えたい部位として挙げられます。しかしながら、効果的に胸筋を鍛えるためには、正しい知識と技術が必要です。
そこでこの記事では、胸筋を効果的に鍛えるための基本的な知識から、具体的なエクササイズまでを徹底解説します。
この記事を読み終えた後、適切な胸筋のトレーニング方法を学ぶことで無駄な努力をせず、短期間で成果を上げることができるようになります。
大胸筋について
まずは大胸筋について深く知っていきましょう。大胸筋の筋肉は、細かく分けると3つの部位に分かれています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大胸筋上部
大胸筋上部は胸の上部、鎖骨付近に位置しています。大胸筋上部を鍛えると胸の上部にボリュームが出て、V字型の体のラインが強調されます。
また大胸筋上部を強化することにより、肩が後ろに引かれる力が強まり、姿勢が良くなる可能性が高まるでしょう。
多くの人には見過ごされがちな大胸筋上部ですが、理想的な胸筋を目指すには大胸筋上部のトレーニングは不可欠です。
大胸筋中部
大胸筋中部は胸の中央部に位置しています。大胸筋中部を鍛えることで、胸全体のボリュームを増やすことができます。また、大胸筋中部を鍛えることは日常の動作やスポーツ時のパワーも向上させることも可能です。
胸のボリュームを増加させるためには、大胸筋中部のトレーニングが鍵となります。
大胸筋下部
大胸筋の下側は胸の下部に近く、肋骨の上に位置する部分です。大胸筋下部を鍛えることで胸の下側のラインが際立ち、全体の形がより美しく整います。
また大胸筋の下側の筋力が低下すると、胸がたるみやすくなります。大胸筋下部を定期的に鍛え続けることにより、年齢と共に生じる胸のたるみを防ぐことが可能となるでしょう。
胸の美しいシルエットを維持するために、大胸筋下部を鍛えましょう。
大胸筋を鍛えるメリットとは?
次に、大胸筋を鍛える利点について詳しく説明します。大胸筋を強化することで、ただ見た目を良くするだけでなく、日常の生活にも多くのメリットがもたらされます。
それでは、早速見ていきましょう。
見た目の向上
大胸筋を鍛えることは、外見における印象的な変化をもたらす要因となります。特に、肉体の中心部となる大胸筋が発達することで、胸のボリュームが増加します。
増えた胸のボリュームはシャツやTシャツを始め、様々な衣類の外見や着心地に影響を及ぼすでしょう。具体的には衣類が体のラインにしっかりとフィットし、服の着こなしやスタイリングが格段に向上します。
大胸筋を鍛えることで、外見が良くなり、自信が持てるようになるでしょう。
スポーツのパフォーマンス向上
大胸筋を鍛えることは、スポーツパフォーマンスの向上に役立つことでしょう。例えば、野球やバスケットボールなどボールを投げる動作を伴うスポーツでは、大胸筋の力が直接的に投球速度やシュートのパワーに影響します。
またラグビーやアメフトなどの接触スポーツでも、大胸筋の力はプッシュやタックルの際のパワーを増加させるのに役立ちます。
スポーツの実力を向上させるには、大胸筋のトレーニングが欠かせません。
代謝の向上
筋肉は体内で最もエネルギーを消費する組織の1つです。大胸筋を強化すると、筋肉量が増えて基礎代謝が向上し、これにより休息時のカロリーの消費もアップします。
その結果、脂肪の燃焼効率が良くなり、体脂肪率を下げるのに役立ちます。実は大胸筋は上半身の筋肉の中で体積が3番目に大きく、大胸筋をトレーニングすることはエネルギー消費を促進し、ダイエットをサポートしてくれるのです。
大胸筋を活用して、脂肪を効果的に燃やしましょう。
大きな筋肉群の1つである大胸筋を強化することにより、筋肉量を効果的に増加させ、基礎代謝率を向上させることができます。
なお、別記事で「エネルギー消費の多い筋肉」について詳しく解説しているので、こちらも是非ご覧ください。
大胸筋の自重種目
自重トレーニングで効果的に大胸筋を鍛える方法を紹介します。初心者でも手軽に始められるので、とてもおすすめです。
それでは、早速見ていきましょう。
1.ノーマルプッシュアップ
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋全体
- サブターゲット:三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- 四つん這いになり、両手は肩幅の約1.5倍の位置に配置する。
- 両足のつま先を床につけ、腰は真っ直ぐに保つ。
- 胸を張った状態で、腕を曲げて体を下ろす。
- そのままの姿勢を保ったまま、体を持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 両手の位置が上すぎたり、下すぎたりすると大胸筋に十分な負荷がかからないので、両手は肩の直下に合わせるよう心掛けましょう。
- 背中を丸めると腰に負担が掛かるので、背中はまっすぐに保ち、腰の位置を下げないようにしましょう。
2.インクラインプッシュアップ
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋下部
- サブターゲット:大胸筋中部、三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- 両手を肩幅よりやや広めにして、台の上に手を置く。
- 体をまっすぐに保ったまま、胸が台に近づくまで体を下げる。
- 姿勢を維持したまま、体を持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 腰を落としたり、背中を反らしたりしないように注意してください。体は常にまっすぐなラインを保つよう努力します。
- インクラインの角度を変えることで、負荷の強度を調整できます。角度が高いほどエクササイズは簡単になり、逆に低いほど難しくなります。
3.デクラインプッシュアップ
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋上部
- サブターゲット:大胸筋中部、三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- 台に両足を乗せ、両手を肩幅よりも少し広くする。
- 体を一直線に保ち、胸が触れる直前まで体を下ろす。
- 姿勢を維持したまま、体を持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 腰が下がったり、背中が反ったりしないように注意しましょう。
- 足を高く置く場所は安定していることを確認してから行い、滑り落ちるリスクを減少させるために靴を履いて実行すると良いでしょう。
大胸筋のダンベル種目
次に、ダンベルを使った大胸筋のエクササイズを紹介します。以下の種目は初心者から経験者まで様々なレベルの人々に利用されています。
是非、理解してトレーニングの一部として取り入れてください。
1.ダンベルプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋全体
- サブターゲット:三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ダンベルを持ち、ベンチに仰向けになる。
- 胸を張り、ダンベルをゆっくりと両サイドに広げながら、肘を床に向けて下げる。
※このとき、肘の角度は90度よりやや内側になるようにします。 - ダンベルを持ちあげる。
- 繰り返す。
注意点
- 自分の限界を超えた重量を持ち上げることは、怪我のリスクを増加させます。最初は軽い重量から始め、徐々に重量を増やしていきましょう。
- ダンベルを持ち上げる動作や下ろす動作は、ゆっくりとコントロールしながら行いましょう。急な動きは怪我の原因となる可能性があります。
2.ダンベルフライ
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋全体
- サブターゲット:三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ベンチに仰向けになり、ダンベルを両手で持つ。
- ダンベルを左右にゆっくりと広げながら、胸がストレッチを感じる位置まで下ろす。
※このとき、肘の角度は90度よりやや外側になるようにします。 - 胸の筋肉を使って、ダンベルを持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 肩や肘に過度なストレスをかけないように注意が必要です。肘を少し曲げて柔らかく保ち、過度に伸ばさないようにすることで関節への負担を軽減できます。
- 急激な動作は怪我の原因となりやすいので、ダンベルを持ち上げる動作も下ろす動作も一定の速度で行います。
3.デクラインダンベルプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋下部
- サブターゲット:大胸筋中部、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ダンベルを持ち、ベンチに仰向けになる。
- 脚をベンチに乗せ、お尻を上げる。
※このとき、角度が15~30度になるようにしましょう。 - 胸を張り、ダンベルを胸の下部方向へ下ろす。
- 姿勢を維持したまま、ダンベルを持ちあげる。
- 繰り返す。
注意点
- 重すぎるダンベルを選んでしまわないようにしましょう。正しいフォームで動作を行うことが大切です。
- ダンベルを胸に深く下げすぎると、肩に過度なストレスがかかる可能性があります。この点に注意しながら、自分の可動域内でエクササイズを行いましょう。
4.インクラインダンベルプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋上部
- サブターゲット:大胸筋中部、三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ベンチを30〜45度の傾斜に設定し、ダンベルを膝に乗せる。
- 膝でダンベルを蹴り上げ、頭の前までダンベルを持ってくる。
- 胸を張り、ダンベルを胸の上部に向かって下ろす。
- ダンベルを持ちあげる。
- 繰り返す。
注意点
- 重すぎるダンベルを使わないでください。フォームが崩れると怪我のリスクが増えます。
- ダンベルを胸に深く下げすぎると、肩に過度なストレスがかかる可能性があります。自分の可動域内でエクササイズを行いましょう。
5.インクラインダンベルフライ
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋上部
- サブターゲット:大胸筋中部、三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ベンチを約30〜45度の角度に設定し、ダンベルを膝に乗せる。
- 膝でダンベルを蹴り上げ、顔の前までダンベルを持ってくる。
- 腕を開くようにダンベルを下ろす。
※このとき、ダンベルをややハの字にしましょう。 - 胸の筋肉を使って、ダンベルを持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 肩や肘に過度なストレスをかけないように注意が必要です。肘を少し曲げて柔らかく保ち、過度に伸ばさないようにすることで関節への負担を軽減できます。
- 急激な動作は怪我の原因となりやすいので、ダンベルを持ち上げる動作も下ろす動作も一定の速度で行います。
大胸筋のバーベル種目
最後に、大胸筋のバーベルエクササイズを紹介します。バーベルを使用すると強度が増すため、怪我をしないように正確なフォームの習得が必須です。
繰り返しの練習を通じて、バーベルエクササイズにチャレンジしてみましょう。
バーベルを使ったトレーニングでは、フォームが崩れがちで怪我の可能性が増します。メインセットを始める前に、ウォームアップを通じて正しいトレーニングフォームをチェックすることが重要です。
1.ベンチプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋全体
- サブターゲット:三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ベンチに仰向けになり、首から顎のあたりにバーが来るように設置する。
- 胸を張り、ブリッジを作る。
- バーを肩幅より少し広めに持ち、ラックアップする。
- バーを大胸筋下部に下ろす。
- 姿勢を維持したまま、バーを持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 胸を張らないと大胸筋に十分な負荷が掛からないため、胸を張る姿勢を保ちましょう。
- ベンチプレスは特に重量を扱う際には危険が伴うため、できるだけスポッター(アシスタント)をつけて行うことを推奨します。
2.インクラインベンチプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット:大胸筋上部
- サブターゲット:大胸筋中部、三角筋(肩の前)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- ベンチを約30〜45度の角度に設定し、肩幅より少し広めにバーを持つ。
- 胸を張り、バーをラックアップする。
- 大胸筋上部に向かってバーを下ろす。
- 姿勢を維持したまま、バーを持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 肩関節の柔軟性によって制限されることがあるので、胸に無理に付けることは推奨されません。安全な範囲での動作を心がけましょう。
- 自分の限界を超えた重量を持ち上げることは、怪我のリスクを増加させます。最初は軽い重量から始め、徐々に重量を増やしていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回紹介した大胸筋エクササイズを基に、自分の体に適したメニューを見つけてみてください。
最初は新しいトレーニングに馴染むのが難しく、正確なフォームを取るのが挑戦的に感じるかもしれません。
しかし繰り返しの練習を通じて、適切なフォームを自然と身につけることができ、大胸筋を効果的に強化することができます。
理想のボディを目指して、大胸筋をしっかりと鍛え上げましょう。