逆三角形の体型、つまり肩幅が広くウエストが狭いシルエットは、健康的で活力に満ちた印象を与えるものです。美しい背中を手に入れるためのキーは、背中の筋肉をターゲットとしたトレーニングにあります。
今回は、背中の筋肉をしっかりと鍛えるための筋トレ種目をピックアップして紹介します。
この記事を読んで、背中を効果的に鍛え、理想の逆三角形の背中を作りましょう。
背中の筋肉部位について
初めに、背中の筋肉の部分を理解しましょう。次の4つの背中の筋肉部位を強化することで、均整のとれた魅力的な背中を手に入れることが可能です。
さあ、詳しく見てみましょう。
広背筋
広背筋は背中の中央部に広がっている三角形の筋肉で、肩甲骨の下部から腰骨の上部まで伸びています。
広背筋は腕を体の後方に移動させたり、内側にひねったりする働きがあります。また、広背筋を鍛えると美しい逆三角形のシルエットが手に入るので、見た目を向上させるのに最適です。
広背筋を鍛え、美しい逆三角形を作りましょう。
僧帽筋
僧帽筋は上半身の大きな筋肉で、首や肩、背中上部をカバーしています。僧帽筋は3つの部分に分けられ、肩、首、そして肩甲骨の動きを支えています。
僧帽筋は僕たちの日常の動きやスポーツ時の動きを支援する役割があるので、過度に使用すると肩や首の痛みを引き起こすことがあります。
僧帽筋の健康を維持するためには、周期的なストレッチや適切な筋トレが欠かせません。
大円筋
肩甲骨の下側から脊椎の中央まで伸びる筋肉を大円筋と言います。大円筋は腕を外側に回転させたり、腕を前方から後方へ動かすためのサポートをしています。
大円筋は日常の動作、特に手を使って物を掴んだり、持ち上げたりする際に、大円筋は頻繁に使用されるものです。
大円筋を強化するためのエクササイズは、上半身の筋力を高めるだけでなく、背中のラインを美しく見せる効果もあります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は骨盤から背骨を通って頭部にまで続く、背中で一番長くて大きな筋肉です。脊柱起立筋は背中を反らす、上半身を傾ける、回転させる役割があります。
脊柱起立筋は長時間の座位や立位、重い物を持ち上げるときなど、日常生活の多くの動作で活動する重要な筋肉です。
そのため、脊柱起立筋を強化し、柔軟性を保つことは背部の健康を維持する上で非常に重要です。
背中を鍛える5つのメリットとは?
背中を鍛えることは多くのメリットを持つため、体を鍛える際に特に重点を置くべき部位の1つです。以下に、背中を鍛える5つのメリットについて詳しく説明します。
基礎代謝を高める
背中の筋肉を強化することで、基礎代謝の向上が期待できます。背中には広範囲に筋肉が分布しており、鍛えることで全体の筋肉量の増加につながり、効果的に代謝を促進することが可能です。
筋肉は脂肪に比べてエネルギーを消費する量が多いため、筋肉量が増加すれば基礎代謝がアップします。
これにより、休息時や普段の活動中でも消費カロリーが増え、太りにくい体質へと変化することが期待できます。
なお、別記事で「エネルギー消費の多い筋肉」について解説しているので、こちらも是非ご覧ください。
姿勢を良くする
背中の筋肉を鍛えることは、正しい姿勢を維持するために欠かせないことです。これは、背中の筋肉が姿勢をサポートする役割を果たしているからです。
筋肉が不足すると姿勢が悪くなり、猫背や消化器官の問題のリスクが高まります。しかし背中の筋肉、特に脊柱起立筋を強化することで、体の姿勢を正しく保つのが容易になります。
その結果、筋肉が引き締まるだけでなく、美しい姿勢も手に入れることができるでしょう。
脊柱起立筋を効果的に鍛えることで、体の姿勢が良くなります。
肩や腰の痛みを予防する
背中の筋肉が弱いと、肩や腰に余計な負担がかかりやすくなります。特に長時間同じ姿勢を続けると、筋肉のバランスが崩れることで痛みが生じることがよくあります。
背中の筋肉を鍛えることで筋肉のバランスが整い、体全体のサポート機能が向上。これにより、肩こりや腰痛の発生リスクが低減します。
健全な体を築くためには、背中の筋肉の強化が欠かせません。
背中の筋肉が不足している場合、肩や腰への過度な負担が増え、肩こりや腰痛が生じる可能性が高くなります。そのため、怪我を防ぐためには、背中の筋肉を効果的に強化することが不可欠です。
生活やスポーツのパフォーマンス向上
背中の筋肉を鍛えることは、日常生活での動作やスポーツのパフォーマンスを高める上で不可欠です。日々の生活では持ち上げたり引っ張ったりする動作が多く、背中の筋肉が強化されると重たい荷物の取り扱いがしやすくなります。
一方スポーツの場面では、野球の打撃や投球、ゴルフのスイング、水泳やクライミングなど、多くのアクションにおいて背中の筋肉が中心的な役割を果たします。
このように背中を鍛えることは、様々なシーンでのパフォーマンス向上に貢献します。
容姿を良くする
背中の筋肉をしっかりと鍛え上げることで、見る者を引きつけるような美しい背筋や肩甲骨のラインを手に入れることができるのです。
特に広背筋の強化はその効果が大きく、背中の幅が際立って広がることで存在感を増します。さらに広背筋の下部を重点的に鍛えると、腰周りが引き締まり、女性らしいくびれやメリハリのあるフォルムを手に入れることができます。
理想とする逆三角形のボディラインを実現するためには、背中の筋トレは必須な要素です。毎日のトレーニングを通じて、自分の身体をより引き締め、魅力的な後ろ姿を目指しましょう。
背中の自重トレーニング
背中を鍛えるおすすめの自重トレーニングを先に紹介します。これらの種目は、初心者にも手軽に取り組めます。
早速、チェックしてみましょう。
1.チンニング
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、大円筋、上腕二頭筋(二の腕表)
やり方
- 肩幅よりやや広めに両手でチンニングバーを握る。
- 両足を交差し、膝を後ろに下げる。
- 背中の筋肉を意識しながら、胸をバーに近づける。
- ゆっくりとコントロールしながら元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 脚を前に出すと骨盤や胸部が丸くなり、背中への効果が低減します。脚は後ろに保つことが肝心です。
- 正しいフォームを保ちながら行うことが非常に重要です。負傷を防ぐためにも、最初はトレーナーや知識のある人にフォームをチェックしてもらうことをおすすめします。
2.スーパーマン
鍛えられる部位
- 広背筋、脊柱起立筋、大殿筋(お尻)
やり方
- うつ伏せになり、両腕を前方に伸ばす。
- 手足を肩幅よりやや広めに開く。
- 両手両足を同時に床から持ち上げる。
- トップの位置で2秒ほどキープする。
- ゆっくりと開始のポジションに戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 腰が反りすぎることを避けるため、ほどよい範囲での持ち上げを目指し、無理に高く持ち上げようとしないでください。
- 首や頭を後ろに反らせたり、無理に前に曲げたりしないようにしましょう。首はリラックスした状態で、顔は床を向いたままに保ちましょう。
3.リバーススノーエンジェル
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋
やり方
- うつ伏せになり、両手を下にする。
- 両手を浮かせ、肩甲骨を寄せる。
- 両手を浮かせたまま、両手を頭上へ上げる。
- 両手を元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 腰が反りすぎることを避けるため、ほどよい範囲での持ち上げを目指し、無理に高く持ち上げようとしないでください。
- 肘を曲げてしまうと背中への効果が低減するので、肘を曲げないようにしましょう。
4.バックエクステンション
鍛えられる部位
- 脊柱起立筋、大殿筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- うつ伏せになり、両手は頭の後ろで組む。
- 上体をゆっくり持ち上げる。
- ゆっくり元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 腰が反りすぎることを避けるため、ほどよい範囲での持ち上げを目指し、無理に高く持ち上げようとしないでください。
- 動きはゆっくりと、一定の速さで行うようにしましょう。急激な動きは怪我のリスクを高める可能性があります。
背中のダンベルトレーニング
次にダンベルを使用した背中のトレーニング方法を紹介します。背中の筋肉を鍛えるダンベルのエクササイズは多岐にわたり、筋肥大に非常に効果的です。
逆三角形の背中を目指すなら、ダンベルエクササイズは欠かせません。
1.ワンハンドダンベルローイング
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、三角筋(肩の後ろ)、上腕二頭筋(二の腕裏)
やり方
- 左膝と左手をベンチの上に置き、右足を外側に置く。
※手・膝・足で三角形を作る。 - ダンベルを握り、肘を斜め後ろに引く。
- ダンベルを元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 背中を丸めると広背筋への刺激が弱まります。そのため胸を張って動作を行いましょう。
- 急激にダンベルを引き上げたり、放り投げるように下ろすのを避けます。動作はコントロールされた速度で行い、筋肉の収縮を感じながら実施します。
2.ダンベルシュラッグ
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋
やり方
- 親指が正面の向けるようにダンベルを持ち、上体を少し前傾させる。
- 肘を後ろに引きながら、ダンベルを外旋させる。
- ダンベルを元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- ダンベルが重すぎて肩甲骨を寄せることができない場合は使用しないでください。最初は軽い重量からスタートし、正しいフォームを保ちながら少しずつ重量を加えていきましょう。
- 急激な動きや勢いをつけると、筋肉や関節にダメージを与える可能性があります。ゆっくりと、コントロールして動作を行いましょう。
3.ダンベルデッドリフト
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大殿筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- ダンベルを持ち、足を肩幅くらいに開く。
- 背中をまっすぐに保ち、膝を軽く曲げる。
- 腰を後ろに下げながら、背中をまっすぐに保ちつつ、上半身を前に傾ける。
- ダンベルがふくらはぎの中間点あたりに到達したら、上体を持ち上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 背中を丸めないようにしましょう。背筋をしっかりと伸ばした状態で行うことで、腰の怪我のリスクを減少させることができます。
- はじめは軽い重量からスタートして、フォームを確認しながら徐々に重量を増やしていくことが推奨されます。重過ぎる重量を使用すると、フォームが崩れやすくなり、怪我のリスクが増えます。
4.サイドライイングプルオーバー
鍛えられる部位
- 大円筋、広背筋
やり方
- ベンチに横向きになり、親指と人差し指でダンベルを握る。
- ダンベルを体の上で構える。
- 腕を伸ばした状態でダンベルを頭の奥の方まで持ってくる。
- ダンベルを元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- ダンベルを手のひら全体で持つと大円筋の刺激が低下するため、親指と人差し指でしっかりと握ることを推奨します。
- 急激な動きや勢いをつけると、筋肉や関節にダメージを与える可能性があります。ゆっくりと、コントロールして動作を行いましょう。
背中のバーベルトレーニング
次に、バーベルを利用した背中のエクササイズについて説明します。バーベルを活用するエクササイズは強度が高く、背中を効果的に鍛えられますが、怪我の可能性も高まります。
そのため、正確なフォームの習得と適切な重量選択が必要です。
1.ベントオーバーローイング
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋
やり方
- 肩幅よりやや広めにバーを握る。
- 膝を少し曲げ、上体を前傾させる。
- バーをみぞおちからおへそあたりに引く。
- バーを元の位置に戻す。
- 繰り返す。
注意点
- 背中を丸めると腰を痛めるので、背筋をまっすぐに保ちましょう。
- 上体を大きく前後に動かすと、腰にストレスがかかるため、正しい姿勢を保つことが重要です。
2.デッドリフト
鍛えられる部位
- 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大殿筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- 足幅を肩幅くらいに開き、バーを肩幅より少し広めに持つ。
- 膝を軽く曲げ、上体を少し前傾させる。
- 腰を後ろに下げながら膝を曲げて、上半身を前に傾ける。
- 脛あたりまでバーが来たら、バーを上げる。
- 繰り返す。
注意点
- 背中を丸めると腰を痛めるので、背筋をまっすぐに保ちましょう。
- はじめは軽い重量からスタートして、フォームを確認しながら徐々に重量を増やしていくことが推奨されます。重過ぎる重量を使用すると、フォームが崩れやすくなり、怪我のリスクが増えます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の背中トレーニングは、多くの種目から厳選して紹介しました。
初めは少し難しいかもしれませんが、課題を順番に乗り越えることで技術が上達し、背中を効果的に鍛えることができます。
早速、背中のトレーニングを始めて、理想の背中を目指しましょう。