「腕」という部位は、筋肉がもっとも目立つ場所の1つかもしれません。腕を効果的に鍛えるためには、適切なトレーニング方法を理解することが重要です。しかし、特に初心者は腕を正しく鍛える方法について不明確なことがあります。

そこでこの記事では、腕の筋肉を増強するための適切な知識と効果的なトレーニング方法を詳しく説明します。

この記事を読むことで、自信を持って立派な腕を手に入れる手助けができるでしょう。

腕の筋肉部位

まずは、腕の筋肉部位について学びましょう。各部位を適切に鍛えることで、腕を効果的に太くすることが可能です。

それでは、詳しく見ていきましょう。

上腕二頭筋

上腕二頭筋は上腕の前側にある筋肉です。上腕二頭筋は長頭と短頭の2つの部分から構成されており、肩甲骨から始まり前腕の頭骨につながっています。

上腕二頭筋は肘を曲げたり、曲げた状態で外にひねったりする動作があります。例えば日常生活で重い物を持ち上げたり、ドアノブを回す際にも上腕二頭筋が活動します。

上腕三頭筋

上腕三頭筋は上腕の後面に位置しており、長頭、外側頭、内側頭の3つの頭部で構成しています。外側頭と内側頭は上腕骨から尺骨に付着しているのに対し、長頭のみが肩甲骨から前腕の尺骨に伸びています。

上腕三頭筋は肘を伸ばす動作があります。例えば物を持ち上げたり、押し出したりする動作があります。

【自重編】腕の筋トレメニュー

まずは、自重で簡単に鍛えられる腕の筋トレメニューを紹介します。最初は、腕の筋肉を正しく動かす方法を理解することが大切です。

自重トレーニングを通じて、適切なフォームを習得しましょう。

1.パームカール

鍛えられる部位

  • 上腕二頭筋

やり方

  1. 右手で拳を作り、右手首を左手で押さえつける。
  2. 左手で圧力をかけつつ、右手を持ち上げる。
  3. 力が抜けないように、右手をゆっくり下ろす。
  4. 繰り返す。

注意点

  • 右手でしっかり抵抗をかけない場合、左腕の上腕二頭筋への負荷が減少します。右手を使って、上腕二頭筋にしっかりと負荷を加えることが大切です。
  • 速い動作はトレーニング効果を減少させる可能性があるため注意しましょう。

2.逆手懸垂

鍛えられる部位

  • 上腕二頭筋、広背筋(背中)、僧帽筋(背中)

やり方

  1. バーを逆手で持ち、肩幅くらいの広さで握る。
  2. バーの高さまで体を持ち上げる。
  3. ゆっくり元の位置に戻す。
  4. 繰り返す。

注意点

  • 懸垂を始める前に、肩甲骨を引き寄せて胸を張るようにします。これにより、肩の負担を減らします。
  • 急激な動きは避け、ゆっくりとした制御された動きを行いましょう。

3.プランクプッシュアップ

鍛えられる部位

  • 上腕三頭筋、三角筋(肩の前)、大胸筋(胸)

やり方

  1. 腕立て伏せの姿勢を作る。
  2. 片肘ずつ、床に下ろす。
  3. 片肘ずつ、持ち上げる。
  4. 繰り返す。

注意点

  • 疲れてくると、フォームが崩れやすくなります。最後まで正しいフォームを意識しましょう。
  • 腰を反らさないようにしましょう。腰を反らすと、腰痛のリスクが増加させる可能性があります。

4.リバースプッシュアップ

鍛えられる部位

  • 上腕三頭筋、三角筋(肩の前)、広背筋(背中)

やり方

  1. 椅子やベンチ台に座り、両手をつく。
  2. 体を前方に移動させ、お尻が椅子の端から離れるようにする。
  3. 腰を真下へと下ろす。
  4. 元の位置に戻す。
  5. 繰り返す。 

注意点

  • 疲れてくると体が前に出てしまい、上腕三頭筋への効きが弱まります。運動を終了するまで正確なフォームを保持することが重要です。
  • 背中や胸の筋肉を活用して動作すると、上腕三頭筋への負荷が低下します。そのため、腕の筋力だけで動作することが重要です。

【ダンベル編】腕の筋トレメニュー

続いて、ダンベルを使用した腕のトレーニングを紹介します。腕をより太くするためには、単に回数をこなすだけではなく、ある程度の重量を用いたトレーニングが必要です。ダンベルを使用するトレーニングは重量調整が可能なため、腕の筋肉を増やすのに特に有効です。

それでは、詳しく見てみましょう。

1.インクラインダンベルカール

鍛えられる部位

  • 上腕二頭筋

やり方

  1. ベンチを45度に設定し、ダンベルを持ってベンチに座る。
  2. 親指が前方を向くようにして、腕を真っ直ぐに伸ばす。
  3. 前腕だけを動かし、手のひらを上に向けながらダンベルを上げる。
  4. ダンベルを逆順で元の位置に戻す。

注意点

  • 持ち上げる時に上腕を動かしてしまうと、上腕二頭筋への効果が減少します。そのため肘を支点にし、前腕のみを動かすことが大切です。
  • 速い動作はトレーニング効果を減少させる可能性があるため注意しましょう。

2.インクラインハンマーカール

鍛えられる部位

  • 上腕二頭筋、上腕筋

やり方

  1. ベンチを45度に設定し、ダンベルを持ってベンチに座る。
  2. 親指が前方を向くようにして、腕を真っ直ぐに伸ばす。
  3. 前腕だけを動かし、ダンベルを上げる。
  4. ダンベルをゆっくりと元の位置に戻す。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 持ち上げる時に上腕を動かしてしまうと、上腕二頭筋への効果が減少します。そのため肘を支点にし、前腕のみを動かすことが大切です。
  • 速い動作はトレーニング効果を減少させる可能性があるため注意しましょう。

3.プルオーバーエクステンション

鍛えられる部位

  • 上腕三頭筋

やり方

  1. ダンベルを持ち、ベンチに仰向けになる。
  2. ダンベルを頭上に構え、ダンベルを手の甲を頭側に向けるようにする。
  3. ダンベルを外側に回転させながら、頭の下方に向けて下ろす。
  4. 逆の動作でダンベルを元に戻す。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 上腕三頭筋に十分なストレッチがかかるよう、ダンベルをしっかりと下げましょう。ストレッチがかからないと、上腕三頭筋への負荷が低減します。
  • 動作が速くなると、フォームが崩れやすくなるので注意しましょう。

4.フレンチプレス

鍛えられる部位

  • 上腕二頭筋

やり方

  1. 足を肩幅くらいに開いて立ち、バーベルを肩幅に合わせて握る。
  2. バーを持って、肘を固定する。
  3. 肘を支点にし、バーを上げる。
  4. バーを元の位置に戻す。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 上腕二頭筋にしっかりと負荷をかけるためには、持ち上げる際に肩と肘が動かないようにすることが重要です。肘と肩を固定することを心掛けましょう。
  • バーベルカールは反動を使ってしまいがちなエクササイズなので、体を反らせないように意識しましょう。

2.ナローベンチプレス

鍛えられる部位

  • 上腕三頭筋、大胸筋(胸)、三角筋(肩の前)

やり方

  1. ベンチに仰向けになり、バーの真下に顎がくるようにする。
  2. 肩幅くらいにバーを握り、ラックアップする。
  3. バーをみぞおち付近に下ろす。
  4. バーを垂直に上げる。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 手幅が広いと、上腕三頭筋よりも大胸筋に負荷がかかりやすくなります。そのため、手幅は狭くしてバーを握ることが推奨されます。
  • 重量が重すぎると正しいフォームを維持するのが難しくなるため、適正な重量を選ぶことが重要です。

3.ライイングトライセプスエクステンション

鍛えられる部位

  • 上腕三頭筋

やり方

  1. EZバーをハの字の部分で握り、ベンチに仰向けになる。
  2. バーを頭の上まで動かす。
  3. 円を描く動きでバーを頭の下まで下げる。
  4. 逆順でバーを上げる。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 肘が開くと上腕三頭筋への負荷が低減するので、脇をしっかりと締める状態で行いましょう。
  • 重量が重すぎると正しいフォームを維持するのが難しくなるため、適正な重量を選ぶことが重要です。

腕のトレーニングの重要なポイント

最後に、腕の筋トレを行う際に注意すべき重要なポイントを紹介します。これらのポイントに集中して腕のエクササイズを実行することで、腕の筋肉を効率的に発達させることができます。

スーパーセットを組むと効果的

「スーパーセット」とは、主働筋と拮抗筋を連続して行う方法です。

具体的な例を見ていきましょう。以下の画像は「トライセプスキックバック(上腕三頭筋)」と「アームカール(上腕二頭筋)」のスーパーセット法です。

スーパーセットでは上腕二頭筋のトレーニングを終えた後、直ちに上腕三頭筋のトレーニングに移ります。

腕のトレーニングにおいて、スーパーセットを導入することには以下の利点があります。

  • 時間短縮になる
  • 拮抗筋が回復しやすい

まず、スーパーセットは時間の短縮に貢献します。例えば上腕二頭筋を鍛える間に、拮抗筋である上腕三頭筋が休憩しているため、上腕三頭筋のトレーニングを始める際にはより短い休息時間で済ませることが可能です。

またスーパーセットは、主働筋を鍛える過程で拮抗筋がストレッチされるため、効果的な回復を促進します。

例えばダンベルカールを行う際には上腕二頭筋が収縮し、同時に上腕三頭筋がストレッチされているのです。

これにより拮抗筋が効果的に回復し、トレーニングのパフォーマンスをしっかりと維持することができます。

スーパーセットは時間の節約だけでなく、腕のトレーニングをより効果的に行う手法と言えます。

上腕三頭筋をしっかり鍛えること

腕の筋肉を効果的に増強するためには、上腕三頭筋のトレーニングが不可欠です。なぜなら、上腕三頭筋は腕の筋肉の3分の2も占めているからです。

上腕三頭筋の外側頭と内側頭を鍛えるのは比較的容易ですが、長頭部分に関しては十分な刺激を与えるのは難しいことがあります。

そのため単に肘を曲げるだけでなく、肩を後ろに引いて行うプルオーバーエクステンションの動作が非常に効果的です。

上腕三頭筋を特に重点的にトレーニングすることによって、腕の筋肉を効率的に増強することが可能となります。

腕を効果的に太くするためには、腕の筋肉の大部分を構成する上腕三頭筋の強化が重要です。

腕のトレーニングをやりすぎないこと

多くの人が「腕を早く太くしたい」という理由で、腕のトレーニングに熱中しすぎる傾向があります。しかし腕以外のトレーニング、例えば胸や背中のエクササイズでも腕の筋肉を使用します。その結果、腕の筋肉に追加的なストレスがかかり疲労が蓄積され、筋肉の成長を妨げる可能性があるのです。

例えばベンチプレスという胸のエクササイズは、大胸筋だけでなく上腕三頭筋にも負荷をかけます。同様にチンニングという背中の種目は、広背筋や僧帽筋だけでなく、上腕二頭筋にも影響を与えます。

したがって、これらのエクササイズを行った後にさらに腕のトレーニングをやりすぎるとオーバーワークになり、筋肉の成長を遅らせてしまう可能性が高いです。

そのため、腕の回復を考慮しながらトレーニングプログラムを計画することが非常に重要です。

胸や背中のエクササイズでは腕の筋肉も使われるので、これらのトレーニングの後に腕を過度に鍛えると、オーバーワークのリスクがあります。腕の適切な回復を考慮に入れて、トレーニングプログラムを慎重に計画することが重要です。

なお、別記事で「筋トレの頻度と分割法」について詳しく解説しているので、こちらも是非ご覧ください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
腕を効果的に鍛えるためには、適切なトレーニングフォームを習得することが必要です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返しトレーニングを行うことで、腕の筋肉を鍛える感覚を身に付けることができます。

是非、この記事に掲載されている腕の筋トレメニューを試して、理想の腕を目指してみてください。

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