ダイエットに挑戦しても、思ったように体重が減らなかったり、リバウンドしてしまったりすることは多々あります。
ダイエットに成功するためには、正しい方法を選ぶことが重要です。しかし、多くの人がダイエットに失敗する要因として、よくある間違いを犯してしまっています。
そこでこの記事では、ダイエットでよくある間違いについて紹介し、その対処法について解説します。
この記事を読み終えることで、ダイエットに関する誤った情報を理解し、正しい方法でダイエットができるようになるでしょう。
目次
ダイエットの間違いあるある7選!
以下では、ダイエットにおけるよくある間違いを7つ紹介します。各項目には、間違いが引き起こすデメリットと解決策も含まれています。最後までしっかりとご覧いただけると幸いです。
それでは、早速見ていきましょう。
1.カロリー制限のしすぎ
カロリーを過度に制限すると、体重の減少が停滞するリスクが高まります。これは、体がエネルギーの使用を最小限にしようとして「ホメオスタシス(恒常性)」という状態に入るためです。
※「ホメオスタシス(恒常性)」とは、体がエネルギーを維持するために省エネモードに切り替える反応を指します。
では、ホメオスタシスの状態になると、どのような変化が生じるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ダイエットの停滞期は、食事を制限してエネルギー摂取を減らすと、体が飢餓を感じてエネルギーを蓄えようとするために起こります。
これにより代謝が下がり、体内の脂肪を燃焼する効率が落ちることがあります。結果として、体重が増えることも考えられます。
省エネモードの影響で、ダイエットのモチベーション低下も招く可能性があるため、適切な対策を考えることが大切です。
解決策
ダイエットの成功の鍵は、摂取するカロリーが基礎代謝を下回らないこと。この原則を無視すると、体は省エネモードに切り替わってしまい、効果的なダイエットが難しくなります。
基礎代謝は、体重計やジムの専用機器で確認することができます。しかし手軽に知りたい場合や機器を利用できない場合は、以下のシンプルな計算式を参考にしてみてください。
体重×男性or女性=基礎代謝量
例 30~49歳・男性・体重60㎏の場合
60 × 22.3 = 1338kcal
※注:筋肉量によって、基礎代謝量は変動することがあります。
しかし、この計算方法は大まかなもの。特に筋肉量が多い人や、より精密なデータが欲しい人は機器での測定をおすすめします。
基礎代謝を把握することは、適切なカロリー設定をするために非常に重要です。
摂取カロリーが基礎代謝よりも低くなると、停滞しやすくなります。そのため、自分の基礎代謝を把握し、適切なカロリー設定を行う必要があります。
2.過度な糖質制限
適切な糖質制限はダイエットに効果的ですが、過剰に制限しすぎるのは良くありません。なぜなら、エネルギー生成のために筋肉を分解してエネルギーにするからです。
筋肉が分解すると筋肉量が不足するため、体が弱くなると同時にバランスが崩れやすいです。特に足腰の筋肉が不足すると体を支えることができず、立ったり歩いたりすることが困難になるでしょう。
また筋肉量が減少することで、日常生活に必要な力を発揮できなくなり、家事や仕事などの活動に支障が出る場合があります。
筋肉をエネルギーに変換すると筋肉量が減少し、長期的には健康に悪影響を与える可能性があります。
解決策
糖質制限には、「厳しい糖質制限」と「ゆるい糖質制限」の二つのやり方があります。糖質制限に慣れていない人は、ゆるい糖質制限がおすすめです。
ゆるい糖質制限の具体的な糖質の摂り方は以下です。
毎食糖質を抜かなくても大丈夫なので、食事への不安を感じる必要はありません。特に初心者にとっても取り組みやすく、食事のバリエーションを増やすことができます。
例えば米の代わりに麺を使ったり、ジャガイモの代わりにサツマイモを使ったりすることができます。炭水化物の種類を変えるだけでなく、糖質の量も調整することが可能です。
まずは、ゆるい糖質制限からスタートするのがおすすめです。
なお、別記事で「糖質制限」について詳しく紹介しているので、こちらも是非ご覧ください。
3.過度なビーガン食
ビーガン食は、肉、魚、乳製品などの動物性の食品を避けることで健康的な食生活を実現する方法の1つです。しかしビーガン食は動物性の食品を摂れないため、タンパク質が欠乏することがあります。
タンパク質は動物性の食品から多く摂ることができますが、ビーガンは動物性の食品を省くため、タンパク質が不足しがちです。
タンパク質は筋肉を作る上で欠かせない栄養素ですが、筋肉の維持にも欠かせません。筋肉を維持することで代謝の低下を防ぎ、リバウンドしにくい体になります。
ビーガン食は健康的な食生活ですが、タンパク質が不足することが欠点です。
解決策
ビーガン食では動物性の食品を摂ることができませんが、植物性の食品からタンパク質を摂取することが可能です。以下は、タンパク質が多く含まれる植物性の食品を厳選しました。
品名 | タンパク質量 |
アーモンド | 20g |
大豆ミート | 17.7g |
チアシード | 17g |
納豆 | 16.5g |
オートミール | 13.7g |
枝豆 | 12g |
高野豆腐 | 10.7g |
上記の食品はスーパーなどで手軽に購入できるので、自分に合った食品を選び、積極的にタンパク質を摂取しましょう。
なお、植物性の食品からタンパク質を多く摂れるのは大豆類です。大豆はタンパク質以外にも、ビタミンやミネラル、食物繊維など、体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
ビーガン食は植物性タンパク質をしっかり摂ることで、健康的なダイエットができるようになります。
4.水分を摂らない
ダイエットにおいて、水分補給は非常に重要です。なぜなら水分を摂らないと代謝が低下し、脂肪燃焼効率が悪くなるからです。
体内の水分が不足すると血液の循環が悪くなり、栄養素や酸素の運搬が滞ります。そのため代謝の速度を低下させ、体調不良や疲労感の原因となることがあります。
逆に水分をしっかり摂ることで、栄養素や酸素の運搬が効率的になり、代謝もよりスムーズに進行します。
水は体内の細胞や組織を潤し、代謝を促進するために必要です。
解決策
ダイエット中の水分補給量の目安は、1日に2ℓ以上の水分を摂取することが推奨されています。なぜなら、人間の体内で使用される水分量が1日当たり2ℓ以上であるからです。
汗や尿の排出などで体内の水分が失われるため、水分を補充する必要があります。また飲料によっては、水分以外の成分が含まれているため、必要な水分量よりも多くの量を摂取する必要があります。
健康的に痩せるためには水分補給が重要です。ダイエットを成功させるために、毎日積極的に水分を摂ることを意識しましょう。
水分不足は代謝の低下につながるため、1日2ℓ以上の水分を補給しましょう。
5.無謀な目標を設定する
ダイエットにおいて、無謀な目標を設定することは失敗の原因となります。無理な目標を設定すると、自分自身に対してストレスをかけることになり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば急激に食事の量を減らしたり、過度な運動をしたりすることで体に負荷を掛けすぎることもあります。これらのことは身体的な問題を引き起こすこととなり、ダイエットが継続できなくなるでしょう。
ダイエットを長期間継続させるために、無理な目標を設定することは避けましょう。
解決策
ダイエットを始める前に、無理のない目標を設定することが重要です。健康的な生活習慣や、バランスの良い食生活を目指すことが、ダイエットの成功の鍵となります。
例えば、ダイエットのために食事の量を減らすことが必要かもしれません。しかし急激に食事を減らすと、体調不良やリバウンドする可能性があるため、食事の量を少しずつ減らすことが望ましいです。
また、月に5~6㎏に設定するのではなく、月に2~3㎏と達成できそうな目標に設定すると良いでしょう。一気に体重を減らすよりも、徐々に減らす方が健康的に痩せることができ、モチベーションも維持できます。
無理のない目標を設定することで、継続力が向上し、ダイエットが成功しやすくなります。
6.長時間のトレーニング
長時間のトレーニングは、ダイエットに悪影響を及ぼします。長時間のトレーニングを行うことで、「コルチゾール」により筋肉が分解され、基礎代謝が低下します。
※「コルチゾール」とはストレスホルモンであり、過剰に放出されると筋肉を分解します。
コルチゾールが増えると、「サルコペニア」の進行を早めることが知られています。
※「サルコペニア」とは、高齢者に特に多く見られる筋肉の量や筋力の低下を指す病態のことです。
サルコペニアが進行すると、日常のさまざまな動作で制約を感じるようになります。例えば立ち上がること、歩くこと、ものを持ち上げることなどが困難になる場合があります。
長時間のトレーニングは筋肉量の減少とカロリーの燃焼量の低下を招き、ダイエットの障害となることがあるのです。
解決策
適切なトレーニング時間は1時間程度に収めることが理想的です。2~3時間のトレーニングは、コルチゾールの分泌量が増え、筋肉を分解され始めます。
トレーニングにおいて大切なことは、トレーニングの質です。例えばトレーニングのやり方やフォームが間違っていると、怪我の原因になったり、効果が出なかったりします。短時間で効果的なトレーニングを行うには、正しいフォームとテクニックを守ることが大切です。
トレーニングを短時間で終えるためには、質を高めることが重要です。短い時間でトレーニングを終えることは、モチベーションを維持するためにも役立ちます。
7.サプリメントに頼りすぎる
サプリメントの摂取は適切に行うことが大切です。食事の大切さを忘れて、サプリメントだけに依存すると、栄養の偏りや食生活の乱れが生じる可能性が高まります。
体は多くの栄養素を必要としますが、サプリメントで全てを補うことはできません。食事からの栄養素摂取が最適で、サプリメントは健康的な食生活を補完するために使用することが望ましいです。
また、サプリメントの過剰摂取には副作用がある場合があります。
以下は、厚生労働省による栄養素の推奨上限量と、過剰摂取時の主な症状を一覧でお伝えします。(成人男性1日分の基準)
サプリメントの使用には十分な知識と注意が必要です。自身の健康を考え、適切な摂取量を守りながら、健康的な生活を目指しましょう。
解決策
サプリメントは、あくまでも栄養の補助であり、食事と組み合わせることで効果があります。まずは、バランスの取れた食事ができているかを確かめてからサプリメントを検討しましょう。
例えば、食事によってはビタミンやミネラルなどの栄養素が不足する場合があります。そのような場合には、足りない栄養素を補うためにサプリメントを検討することができます。
ただし過剰な摂取は健康に悪影響を与えることがあるため、必ず指示された用量を守るようにしましょう。
健康的な身体を手に入れるためには、まずは食事から見直すことが大切です。そして、食事だけでは足りない栄養素を補うためにサプリメントが役立ちます。
まとめ
以上で、ダイエットにおけるよくある間違いについて解説しました。
誤ったダイエット方法を行うと、体重が減らないだけでなく、健康を害することにもつながるかもしれません。
もし間違いがあると感じたら、しっかりと1つずつ改善していきましょう。
すべてを一度に修正しようとすると、ダイエットのモチベーションが下がる可能性があります。
少しずつ改善を続けることで、正しい方法でダイエットができるようになり、理想の体型に近づくことができるでしょう。