筋肉はエネルギーを消費するので、脂肪の燃焼も促進されます。つまり、代謝の良い体を作るには筋肉量を増やすことが必須であり、筋トレは欠かせないものとなっています。
しかし筋トレには、どの部位をどのように鍛えたら良いのかという情報が多すぎて、トレーニングを始められない人も多いです。
そこでこの記事では、筋トレ歴7年のプロが筋肉ノウハウを余すことなく徹底解説していきます。
この記事で紹介する方法を実践すれば、初心者でも効率的に筋肉を鍛えられ、太りにくい体を手に入れることができます。
目次
筋肉量とエネルギー消費
まずは、筋肉量とエネルギー消費について解説していきます。二つの関係をしっかり理解することで、トレーニングのモチベーション維持にもつながります。
それでは、早速見ていきましょう。
基礎代謝とは
基礎代謝とは、体が安静時に消費する最低限のエネルギー量のことです。呼吸や体温調節、心臓の動きなど、人体が生命を維持するための基本的な働きに必要なエネルギーが含まれます。
また、僕たちが1日で消費するエネルギー量は以下の3つに分かれます。
基礎代謝 | 60~70% |
活動代謝 | 30~40% |
食事誘発熱産生 | 10% |
※食事誘発熱産生とは、食事で発生する消費エネルギーのことです。
基礎代謝がエネルギー消費量の大半を占めることが分かっています。そのため、より多くのカロリーを消費するには、基礎代謝を上げることが非常に重要です。
また、活動代謝もエネルギー消費量の30~40%にもなるため、日常生活でより活発に行動する時間を増やすと良いでしょう。
基礎代謝を上げることで、より多くのエネルギーを消費し、太りにくい体を作ることができます。
基礎代謝を効率的に上げる方法
基礎代謝を効率的に上げる方法は、筋肉量を増やすことです。
以下は基礎代謝の内訳になります。
筋肉は約40%を占めており、エネルギーの消費量が多いことが分かります。筋肉は体積が大きくなると熱を生み出すため、消費カロリーが多くなります。一方、臓器は自分で動かすことができないため、エネルギー消費量が少ないです。
そのため、基礎代謝を効率的に上げるためには筋肉量を増やすことが重要です。積極的に運動や筋トレで、筋肉量を増やす必要があります。
大きい筋肉を鍛えると筋肉量が増加しやすい
大きい筋肉を鍛えることで、効率的に筋肉量を増やせます。大きな筋肉を鍛えることで、体幹が強化され、体の軸が安定するため怪我を防止にもつながります。
では、具体的に大きい筋肉は体のどこの部位にあるのでしょうか?早速、見てみましょう。
グラフの結果から、下半身部位の大腿四頭筋、大殿筋、内転筋が圧倒的に体積が大きいことが分かります。実際に全身の筋肉のうち、60~70%の割合で下半身が占めていると言われています。つまり、筋肉量を効率的に増やしたい場合は、下半身をメインに鍛えると良いでしょう。
また、上半身で体積が大きい三角筋、上腕三頭筋、大胸筋も鍛えることで、筋肉量の増加だけでなく、引き締まったボディラインを手に入れることができます。
大きな筋肉を鍛えることで、より効率的に筋肉量を増やし、エネルギー消費量を増やすことにつながります。
下半身トレーニング
次に、下半身部位(大腿四頭筋、大殿筋、内転筋)の鍛え方を解説していきます。以下の種目は、自宅で簡単にできるトレーニングを厳選しました。
なお、別記事で「初心者向けの自宅トレーニング」について解説しているので、こちらも是非ご覧ください。
1.シシースクワット
鍛えられる部位
- メインターゲット 大腿四頭筋(太もも前)
- サブターゲット 大殿筋(お尻)、ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- 足幅は肩幅まで開き、つま先は少し外側に向ける。
- 片手で棒や椅子などにつかまり、体を支える。
- かかとを浮かせ、体を斜め前に下げる。
- 太ももが地面と平行になったら上げる。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 下ろす際には、早くならないようにゆっくり動作しましょう。
- 太ももを地面と平行にまで下げることがポイントです。深く下ろすことで、効果を最大限に引き出せるため、浅く下ろさないようにしましょう。
2.ヒップリフト
鍛えられる部位
- メインターゲット 大殿筋(お尻)
- サブターゲット ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- 仰向けになり、膝を90度に曲げる。
- 足幅は股関節の幅まで開く。
- 膝から肩までが一直線になるまで上げる。
- トップポジションでお尻に力を入れる。
- 元の位置に戻す。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 上げ下ろしをゆっくり行い、早い動作を避けましょう。
- トップポジションでお尻に力を入れる際に、力が抜けてしまうと効果が薄くなるため、お尻を収縮させるようにしましょう。
3.ワイドスクワット
鍛えられる部位
- メインターゲット 内転筋(内もも)
- サブターゲット 大殿筋(お尻)、大腿四頭筋(太もも前)、ハムストリングス(太もも裏)
やり方
- 足幅は肩幅の1.5倍の広さまで開き、つま先はやや外側に向ける。
- 腰を下げ、太ももが床と平行になるまで下ろす。
- 元の位置に戻す。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 下ろす際には、早くならないようにゆっくり動作しましょう。
- 背中を丸めると腰を痛めるので、胸を張って行ないましょう。
- 膝が内側に入ると膝を痛めてしまうので、つま先と同じ方向で動作しましょう。
上半身トレーニング
次に上半身部位(三角筋、大胸筋、上腕三頭筋)の鍛え方を紹介します。こちらも自宅で簡単にできるトレーニングです。また三角筋と上腕三頭筋の種目には、ダンベルかペットボトルが必要です。
3つの筋肉を鍛えることで、引き締まった上半身を作ることができます。正しいフォームをマスターし、効果的なトレーニングを行いましょう。
1.ショルダープレス
鍛えられる部位
- メインターゲット 三角筋前部(肩前)
- サブターゲット 僧帽筋(背中)、上腕三頭筋(二の腕裏)
やり方
- 椅子に座り、ダンベルを太ももに乗せる。 ※ペットボトルでも代用可能
- 太ももの力を使って、顔の横ぐらいまで上げて構える。
- 肘を伸びきる直前まで上げる。
- 元の位置に戻す。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 下ろす際には、早くならないようにゆっくり動作しましょう。
- 上げるときは、手が頭より前に出てしまわないように注意し、真上に上げましょう。手を前に出すとバランスが崩れることがあります。
2.膝つきプッシュアップ
鍛えられる部位
- メインターゲット 大胸筋(胸)
- サブターゲット 上腕三頭筋(二の腕裏)、三角筋前部(肩前)
やり方
- 手幅は肩幅より少し広げる。
- 地面に膝をつけて、脚は浮かせる。
- 肘を曲げ、床に胸が触れるまで上体を落とす。
- 両手で床を押し、元の位置に戻す。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 下ろす際には、早くならないようにゆっくり動作しましょう。
- 反らした状態で行うと腰を痛めるので、まっすぐな姿勢で行いましょう。
3.フレンチプレス
鍛えられる部位
- メインターゲット 上腕三頭筋(二の腕裏)
- サブターゲット なし
やり方
- 椅子に座り、ダンベルを両手で持って頭上まで持ち上げる。 *ペットボトルでも代用可能
- 首の位置まで垂直に下ろす。
- ダンベルを垂直に上げる。
- 繰り返す。
回数・セット数・インターバル
- 10~15回
- 2~3分
- 2~3セット
注意点・ポイント
- 下ろす際には、早くならないようにゆっくり動作しましょう。
- 肘を動かすと負荷が逃げてしまうため、肘を固定しましょう。
- 肘を開きすぎると肘関節を痛めることがあるので、脇を閉じ気味にして行いましょう。
全身の筋肉バランスの大切さ
次に、筋肉バランスの重要性について説明します。筋肉のバランスが崩れると、体に様々な悪影響が及ぶことはご存知でしょうか?ここでは、その悪影響を3つの項目に分けて解説します。
また各項目では、しっかりと解決策も説明しているので安心して読み進めることができるでしょう。
腰痛になりやすい
体のバランスが悪いと腰痛になりやすいです。筋肉量が極端に偏っていると、体の姿勢が悪くなり、バランス感覚が低下します。その結果、体を支えようとする力が働き、腰に負担が掛かります。
腰痛予防には体幹の筋肉を鍛えることがおすすめです。特に胸、背中、腹筋といった体の中心部を鍛えることで、バランス感覚が向上します。
腰痛になると、普段の生活でも体を動かすことが難しくなり、非常に辛いです。しかし体幹の筋肉を鍛えることで、腰痛を未然に防ぐことができます。
転倒のリスクが上がる
実は、下半身を無視して上半身だけ筋肉を鍛える人が多いです。しかし、下半身の筋肉を鍛えないと転倒のリスクが高くなります。
下半身の筋肉量が少ないと、上半身を支える力が弱くなり、バランスを崩す危険性が高まります。特に高齢者は自然に筋肉量が低下するため、転倒には十分な注意が必要です。
下半身の筋肉を鍛えることで、踏ん張る力が増し、上半身をしっかり支えることができるようになります。そうすることで、つまずいたり転倒する心配が一切なくなり、自信を持って歩けるようになります。
下半身の筋肉量が不足すると、バランスを崩し、転倒のリスクが高まります。転倒を防ぐために、上半身だけでなく、下半身も鍛えることが非常に重要です。
スポーツのパフォーマンスが落ちる
筋肉のバランスが悪いと、スポーツのパフォーマンスが低下します。なぜなら、筋肉のバランスが偏ると上半身と下半身の連動性が失われるからです。
連動性が失われると、自分が納得できないようなパフォーマンスが続き、練習や試合で体が力んで怪我をすることがあります。
スポーツは、上半身と下半身を円滑に連動させるために全身運動が必要です。上半身と下半身をバランス良く鍛えることで、パフォーマンスを向上させることができます。
全身を均衡よく鍛えることで、最高のパフォーマンスを発揮することができます。
まとめ
最後に、記事のポイントをまとめます。
- エネルギー消費量を多くするためには筋肉量を増やすと効果的。
- 大きな筋肉を鍛えることで、筋肉量を効率的に増やすことができる。
- 筋肉のバランスが悪いと、怪我やスポーツのパフォーマンスに影響を与えるため、全身をバランス良く鍛えることが重要。
トレーニングは一度で全部を覚えることはできません。
そのため、何度も反復練習をすることが大切です。
焦らずゆっくりと1つずつ実践していくことがポイントです。
少しずつ実践していけば継続力が向上し、理想の体に近づくことができます。