腹筋トレーニングは多くの人が関心を持つトピックですが、実際の効果や効率的なトレーニング方法については疑問を持っている方も多いでしょう。

そこでこの記事では、腹筋を鍛えることによる具体的な効果や腹筋を割るための効果的なトレーニング方法を解説していきます。

この記事を通じて、腹筋トレーニングの重要性を理解し、自分自身に合った効果的なトレーニング方法を見つけることができるでしょう。

腹筋の構造について

まずは腹筋の構造について理解しましょう。理想的な腹筋を形成するためには、腹筋を全体的に均一にトレーニングすることが不可欠です。

さて腹筋には、どのような部位が含まれているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

腹直筋

腹直筋はお腹の前面に位置し、肋骨の下部から恥骨まで伸びている筋肉です。腹直筋は、体を前方に曲げる動作に関与します。例えば物を拾う時や靴を履く際に、腹直筋が活動します。

さらに、立っていたり座っていたりする時の体の安定性を高めるためにも、腹直筋は不可欠です。腹直筋は姿勢の維持にも大きく寄与しており、その効果は日々の活動で顕著に表れます。

腹斜筋

腹斜筋は腹部の側面に位置し、外腹斜筋と内腹斜筋の2つの筋肉で成り立っています。

  • 外腹斜筋:脇腹の表層部にある筋肉で、肋骨の下から腰骨へとつながっています。外腹斜筋は体を横に曲げたり、上半身を回転させたりする動作に関与しています。
  • 内腹斜筋:外腹斜筋の内側にある筋肉であり、肋骨の下から骨盤までつながっています。内腹斜筋も体を横に曲げる動作や上半身を回転させる動作に寄与しますが、外腹斜筋と協力して腹部の圧縮と支持を行います。

腹横筋

腹横筋は腹部の深層に位置し、下部の背骨から始まり、腹部の側面を通って前面に向かい、腰骨と下部の肋骨につながる筋肉です。

体内の支持と圧縮を担う腹横筋は立つ、座る、歩くといった動作中に腹部を安定させ、動きを滑らかにします。深い呼吸時には、腹横筋が腹部を圧縮し、肺が空気をより効率的に吸収するのに役立ちます。

腹筋を鍛えるメリットとは?

次に、腹筋を強化することの利点についてお話しします。腹筋を鍛えることは、日々の生活をより充実させることに繋がります。

それでは、さっそく詳しく見ていきましょう。

姿勢の改善

腹筋を鍛えることによる最大のメリットの1つは、姿勢の改善です。これは腹筋が体の中心部に位置し、背骨を支える重要な役割を果たしているからです。

強くてしなやかな腹筋は、背中を適切な位置に保ち、姿勢を良くすることができます。良い姿勢は日常生活での動作効率を向上させるだけでなく、背中の痛みや他の体の不調を軽減する効果もあります。

したがって腹筋を鍛えることは、日常生活の質を高めるという点でも非常に重要なのです。

見た目の改善

腹筋を鍛えると、見た目が改善されます。これは腹筋が体の中心部分を形作り、体全体の外観に大きく影響を与えるためです。

鍛えられた腹筋は、より引き締まった腹部を作り出し、全体的な体のシルエットを改善します。これは自信を持って体を見せることができるようになるだけでなく、服がよりよくフィットするようになることを意味します。

したがって腹筋を鍛えることは、見た目をより魅力的にし、自己満足と自信を高めることにつながるのです。

基礎代謝の向上

腹筋を鍛えることによる重要なメリットの1つに、基礎代謝の向上があります。理由は、筋肉が代謝活動において重要な役割を果たすからです。

腹筋を含む筋肉が鍛えられると、体はより多くのエネルギーを消費するようになります。これは安静時でもより多くのカロリーを燃焼することを意味し、結果として体重管理や脂肪の減少に役立ちます。

したがって腹筋を鍛えることは、健康的な体重の維持や全体的な健康向上に貢献するのです。

なお、別記事で「エネルギー消費の多い筋肉」について解説しているので、こちらも是非ご覧ください。

腰痛の軽減

腹筋を鍛えるは、腰痛の軽減につながります。これは強化された腹筋が腰部にかかる圧力を分散し、サポートする役割を果たすためです。

腹筋が強いと脊椎への負担が軽減され、特に長時間座っている時や重い物を持ち上げる時の腰の痛みや不快感が減少します。強い腹筋は脊椎を正しい位置に保つのに役立ち、それによって腰痛のリスクを減らすことができます。

腹筋を鍛えることは日常生活における腰痛の問題を軽減し、より快適な生活を送るために非常に効果的です。

腹筋を強化することで、腰部への負担を分散し、腰痛を軽減する効果が期待できます。

生活やスポーツのパフォーマンス向上

腹筋を鍛えることで、生活やスポーツのパフォーマンスが向上します。腹筋が日常生活やスポーツ活動における多くの動作の基盤となる核心部分であるためです。

強い腹筋は体の安定性とコアの強度を高め、バランスや姿勢を改善します。これは、日常の動作がより効率的かつ安全に行えるようになることを意味します。

またスポーツにおいては、ジャンプや走るなどの動作が改善され、全体的なパフォーマンスが向上します。

したがって腹筋を鍛えることは、日常生活の質の向上とスポーツでの成果の向上の両方に寄与するのです。

便通解消

腹筋を鍛えることによるメリットの1つとして、便秘解消が挙げられます。これは強化された腹筋が消化器官の動きをサポートし、腸の動きを促進するからです。

腹筋が強いと腸のぜん動運動が効果的に行われ、便の通過がスムーズになります。
※ぜん動運動とは、消化管などの筋肉がリズミカルに収縮し、内容物を一方向に押し進める運動のことです。

そのため、便秘の軽減や解消に役立ちます。また規則的な腹筋運動は全体的な血流を改善し、消化器系の健康にも良い影響を与えます。

したがって腹筋を鍛えることは消化器系の健康を促進し、便秘の問題を緩和する効果があるのです。

【厳選】腹筋の筋トレメニュー8選

次に、腹筋を効率的に強化するためのトレーニングを紹介します。これらは僕がこれまでに試した数々の腹筋エクササイズの中から特に効果的だと感じたものを選びました。

是非参考にして、ご自身のトレーニングに取り入れてみてください。

1.クランチ

鍛えられる部位

  • 腹直筋

やり方

  1. 仰向けになり、脚を閉じる。
  2. 膝を少し曲げ、股関節を90度まで曲げる。
  3. 背中を丸めながら上体を上げる。※息を吐く
  4. 上体を元の位置に戻す。※息を吸う
  5. 繰り返す。

注意点

  • 反動をつけながら行うとトレーニング効果が低下するので、ゆっくりと動作をしましょう。
  • 腰を反らないように気をつけましょう。背中を丸めることで、腹直筋へ負荷をかけることができます。

2.リバースクランチ

鍛えられる部位

  • 腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋

やり方

  1. 仰向けになり、両手を体の横に置く。
  2. 膝を90度に曲げ、足を床から少し浮かせる。
  3. 膝を胸の方向に引き寄せる。※息を吐く。
  4. 膝を元の位置に戻す。※息を吸う。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 腰を反らないように気をつけましょう。背中を丸めることで、腹直筋へ負荷をかけることができます。
  • 反動をつけながら行うとトレーニング効果が低下するので、ゆっくりと動作をしましょう。

3.サイドプランク

鍛えられる部位

  • 外腹斜筋、内腹斜筋

やり方

  1. 横向きになり、右ひじを床につける。
  2. 体を持ち上げ、足から頭までが一直線になるようにする。
  3. 20秒間キープする。
  4. 同じ動作を反対側で繰り返す。

注意点

  • 体が前後に傾かないように注意し、腹部を引き締めて安定させましょう。
  • 慣れてきたら、持続時間を徐々に延ばしましょう。

4.ロシアンツイスト

鍛えられる部位

  • 外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋

やり方

  1. 床に座り、膝を曲げて足を床につける。
  2. ダンベルを持って、上体を左右にひねる。

注意点

  • 腕を固定し、上体を動かすようにしましょう。上体を動かさず、腕だけでひねると腹斜筋への負荷が低減します。
  • 背中を丸めないように注意し、常にまっすぐ保つことが重要です。背中が丸まると腰に不必要な圧力がかかり、怪我のリスクが高まります。

5.プランク

鍛えられる部位

  • 腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋

やり方

  1. うつ伏せになり、両肘を曲げて床につける。
  2. 両腕を肩幅くらいに開き、脚をまっすぐ伸ばす。
  3. 体を持ち上げて、頭から踵まで一直線になるようにする。
  4. 20~30秒間キープする。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 背中が反らないようにし、腰が落ちないように注意します。体を一直線に保つことが重要です。
  • 慣れてきたら、持続時間を徐々に延ばしましょう。

6.デッドバグ

鍛えられる部位

  • 腹直筋、腹横筋

やり方

  1. 仰向けになり、膝を90度に曲げて足を持ち上げる。
  2. 両腕を天井に向けて伸ばす。
  3. 右手と左足を同時に下ろし、床に触れないようにする。※息を吐く。
  4. 右手と左足を元に戻す。※息を吸う。
  5. 同じ動作を反対側でやる。
  6. 繰り返す。

注意点

  • 動作はゆっくりとコントロールしながら行い、急な動きは避けましょう。
  • 腰を浮かせないように、腹筋に力を入れて動作を行いましょう。

7.ボールクランチ

鍛えられる部位

  • 腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋

やり方

  1. ボールの上に仰向けになり、腰から中背部(肩甲骨の下あたり)を支えるようにする。
  2. 手は頭の後ろに置くか、胸の前で交差させる。
  3. 上体を持ち上げる。※息を吐く。
  4. 上体を元の位置に戻す。※息を吸う。
  5. 繰り返す。

注意点

  • 腰を反らないように気をつけましょう。背中を丸めることで、腹筋へ負荷をかけることができます。
  • 動作はゆっくりとコントロールしながら行い、急な動きは避けましょう。

8.アブローラー

鍛えられる部位

  • 腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、上腕二頭筋(二の腕表)、上腕三頭筋(二の腕裏)

やり方

  1. アブローラーを手に持ち、ひざをついた状態にする。
  2. アブローラーをゆっくりと前に転がし、体を伸ばす。
  3. アブローラーを元の位置に戻す。
  4. 繰り返す。

注意点

  • 動作中、腰を反らせすぎないように注意し、常に腹筋に意識を集中させましょう。
  • アブローラーは負荷が強いため、初心者は最初あまり遠くに伸ばさず、徐々に範囲を広げていきましょう。

腹筋を割るための必須条件

腹筋を割るためには、単に腹筋のトレーニングを行うだけでは不十分です。腹筋を明確に見せるためには、以下の必須条件があります。

それでは、早速見ていきましょう。

①体脂肪率を低くする

体脂肪率を低くすることは、腹筋を割るための基本的な要素です。腹部の筋肉が存在していても、その上に脂肪があると筋肉の輪郭は見えにくくなります。体脂肪率が高いと、どれだけ腹筋トレーニングをしても腹筋の定義ははっきりしません。

ここに、体脂肪率の異なる体型の比較を示します。

例えば男性で言えば、体脂肪率が20%以上の場合、腹筋のラインはほとんど見えないでしょう。しかし体脂肪率を15%以下に減らすと、腹筋の各セグメントが明瞭に現れ、「シックスパック」が形成されます。

したがって体脂肪率を減らすことが、割れた腹筋を得るための鍵となります。

②高強度の腹筋トレーニングを行う

腹筋を割るためには、高強度の腹筋トレーニングが必須です。高強度のトレーニングは腹筋を発達させ、より明確な筋肉の輪郭を生み出すために重要です。

例えば従来のクランチよりも難易度の高い、Lクランチといったエクササイズが効果的です。種目の強度を上げることで腹筋に直接的な高い刺激を与え、筋肉の成長を促進します。

単に腹筋運動の量を増やすだけでなく、質と強度にも焦点を当てることが、割れた腹筋を手に入れるための鍵です。

腹筋も他の筋肉と同様に、高い負荷をかけることで筋肉が増大し、より分厚くなります。その結果、腹筋の輪郭がはっきりと現れるようになります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
理想の腹筋を目指すには、適切な知識を身につけ、効果的なエクササイズを実践することが必要です。

この記事で紹介した腹筋トレーニング方法を活用し、トレーニングプログラムに組み込んでみてください。

腹筋トレーニングをしっかり続けることで、引き締まったお腹やシックスパックを手に入れることができるでしょう。

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