筋トレの間の「インターバル」を適当にしている人は注意が必要です。筋トレにおけるインターバルの長さは、単なる待ち時間ではなく、実際のトレーニング効果に大きく関わっています。

そこでこの記事では、筋トレに効果的なインターバルの取り方について詳しく解説します。

この記事を読み終えた後、筋トレに最適なインターバルの取り方が分かり、より質の高いトレーニングができるようになるでしょう。

短いインターバルはNG!

まず初めに、短いインターバルはよくありません。短いインターバルによって、トレーニングに悪影響を及ぼすことになります。

一体どのような悪影響が出るのか?早速見ていきましょう。

パフォーメンス低下

短いインターバルは筋トレのパフォーマンスに影響してきます。短すぎるインターバルでは筋肉が十分に回復せず、トレーニングの回数や重量が低下する可能性があります。

以下の研究は、休憩時間「30秒」と「3分」でのトレーニングの総負荷量を比較しました。

休憩時間「3分」の方がトレーニングの総負荷量が増えることが明らかになりました。したがって短いインターバルは、トレーニングの質を低下させることにつながります。

正しいインターバルを取ることで、筋トレの効果を最大化することができるでしょう。

短いインターバルは、トレーニングの回数や重量が低下しやすくなるためおすすめしません。

怪我のリスク増加

短いインターバルは筋肉の疲労と共に怪我の可能性を増加させます。筋肉が十分に休息していないためトレーニング中にフォームが乱れやすくなり、その結果、怪我のリスクが高くなります。

怪我をしてしまうと筋トレを一時的に中止しなければならなくなるため、時間の損失となるでしょう。

怪我を避けるため適切な休息をとり、筋肉が完全に回復した後に再びトレーニングを開始することが重要です。

「インターバル1分は筋トレに最適」は誤り

10年前、多くの専門家は「インターバルを1分に設定すると筋肥大が効果的に進行する」と主張していました。その理由は、1分のインターバルが成長ホルモンの分泌を最大限に高めるためとされていました。

ところが、最新の研究では、成長ホルモンの分泌量が多いことが必ずしも筋肥大に有効であるわけではないことが示唆されています。

参考:NCBIにおける成長ホルモンと筋肥大の関連研究

上記の参考文献では、「1分間の休憩」と「3分間の休憩」を取る2つのグループに分けてトレーニングの効果を比較した研究です。

研究結果によると、3分間休憩を取るグループは1分間休憩を取るグループと比較して、スクワットとベンチプレスでの最大筋力が大幅に高いことが判明しました。また大腿前部の筋肉の厚さも増加し、上腕三頭筋の肥大も増加傾向にありました。

したがって、筋力トレーニングの効果を最大化するためには、より長い休憩時間を設定することが有効であると結論づけることができます。

1分のインターバルが筋肥大を最適化するという従来の見解は、現在では見直されているのです。

長いインターバルのメリット

短いインターバルの問題点を理解したところで、次は長いインターバルがトレーニングに及ぼす影響について説明します。以下の内容を通して、長いインターバルのメリットを把握できるでしょう。

さあ、一緒に詳しく見ていきましょう。

重量が扱える

インターバルを長めに設定することで、筋肉の回復が促進され、1セット目と同等の重量を持ち上げる能力が増します。

筋肥大を目指す時、重い重量を持ち上げて筋肉にストレスを与えることは極めて大切です。最適な筋肥大効果を得るためには、8~12回持ち上げることができる重量を設定することが重要です。

適切なインターバルの設定は、筋トレの効果を最大化する鍵となります。

休憩時間を長く設定することにより、持ち上げる重量を一定に保つことが可能です。筋肥大を促進するには重い重量が効果的なため、重い重量を維持することが重要です。

回数の低下を防げる

インターバルを長く取ることで、筋トレの回数を安定して維持できます。長めの休憩を取ることで、筋肉は十分に回復し、一定のパフォーマンスを維持することが可能です。これにより、トレーニングの各セットで回数が大きく減少するのを効果的に防げます。

例えば、僕が行ったベンチプレスの実験を見てみましょう。

インターバル1分インターバル5分
1セット目10回10回
2セット目5~6回10~8回

このように長めのインターバルを取ることで、トレーニングの回数が初回セットと比べて低下しにくいことが明らかです。

一方、短い休憩ではパフォーマンスの減少が見られ、結果的にトレーニング効果が低下する可能性があります。

したがって筋トレの効果を最大限に引き出すためには、適切な長さのインターバルが不可欠です。

トレーニングフォームを維持できる

長いインターバルは、安定したトレーニングフォームを維持することができます。対照的に短いインターバルは、疲労感が残るため集中力が散漫となりトレーニングの質が低下する恐れがあります。

しかし長いインターバルを確保することで、筋肉の回復や疲労の軽減が図られ、バランス良くエクササイズを行うことが可能です。

トレーニングフォームを正しく保つことは、筋肉の適切な動きを意識する上で重要で、これが質の高いトレーニングを実現する鍵となります。

最良の結果を求めるなら、適切な休息時間の確保は不可欠です。

筋トレに最適なインターバル

次に筋トレに最適なインターバルを解説します。具体的に、どれくらいの長さのインターバルが適しているのかを明らかにします。

最後まで読んでいただき、トレーニングの参考にしてください。

多関節運動

まず多関節運動とは、2つ以上の関節が同時に動作する運動のことです。例えば、ベンチプレス、スクワット、ショルダープレスなどがあります。

多関節運動では、4~5分の休憩を取ることが望ましいです。その理由は多関節運動が複数の関節を動かし、多数の筋肉群を活用するため重い重量を扱える点にあります。これにより筋肉が適切に回復するためには、より長い休憩時間が必要となるのです。

僕自身が100㎏のスクワットを行った経験を例にとると、以下のような結果が得られました。

インターバル3分インターバル5分
1セット目10回10回
2セット目7回9回

100㎏のスクワットで、5分休んだ後の2セット目では9回行うことができましたが、3分の休憩では7回にとどまりました。3分の休憩でも充分だと感じるかもしれませんが、実際には完全に回復していないことが分かります。

したがって多関節種目で高重量を扱う際には、筋肉の回復時間を考慮して、4~5分のインターバルを確保することをおすすめします。

なお、別記事で多関節運動の最強種目の「ベンチプレス、デッドリフト、スクワット」について解説しているので、こちらも是非ご覧ください。

単関節運動

単関節運動とは、1つの関節を動作させる運動のことです。例えば、サイドレイズ、ダンベルカール、ダンベルフライなどがあります。

単関節運動の種目の場合は、3分取ることをおすすめします。単関節運動は特定の筋肉をターゲットとするため、重い重量を持ち上げることは難しいです。

重量よりも、筋肉に効果的に働きかけることが単関節運動の鍵です。なので、多関節運動で推奨される4~5分の休憩は必要ありません。

僕の経験上、5分の休憩を取った場合と3分の休憩を取った場合で、トレーニングのセット数に差はありませんでした。

単関節運動では、3分の休憩を心がけましょう。

筋トレ初心者向け!最適なインターバル

長いインターバルが筋トレの効果を高めると以前説明しましたが、初心者の場合は異なります。実は、初心者には1~2分の短い休憩が効果的なのです。

「なぜ長い休憩が良いと聞いたのに、初心者は短いインターバルが推奨されるの?」と疑問に思うかもしれませんね。

その答えは、初心者が筋肉を十分に活動させたり、極限まで鍛え上げるのが難しいからです。具体的には、初心者はまだトレーニングの正しいフォームをマスターしていないため、筋肉を効果的に鍛えるのは難しいのです。

加えて、様々な筋トレメソッドを学ぶことは初心者の成長にとって重要です。したがって長い休憩はただの時間の浪費となり、効率的なトレーニング時間を短縮してしまいます。

初心者は1~2分の短いインターバルで、しっかりとした筋トレの効果を得ることができます。

まとめ

最後にインターバルの取り方についてまとめます。

  • ベンチプレスやスクワットなどの多関節運動は、4~5分のインターバルを取る。
  • サイドレイズやダンベルカールなどの単関節運動は、3分のインターバルを取る。
  • 筋トレ初心者は1~2分のインターバルで十分。

トレーニングの質は、休憩時間の管理によって大きく左右されます。
面倒に思えるかもしれませんが、休憩時間を正確に計ることは非常に重要です。

理想の体を構築するためには、適切なインターバルの設定が必須です。

関連記事

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます